【悲嘆を乗り越えるためのスピリチュアルケア】医師エリザベス・キューブラー・ロスに学ぶ

多くの死に立ち会った医師によるスピリチュアルな気付きに学ぶ

今回の記事では、グリーフケアを世界に広めた精神科医のエリザベス・キューブラー・ロスの著書を参考に、悲嘆を乗り越えるためのスピリチュアルケアについて書きたいと思います。

死別により、生きるとは何なのか死ぬとは何なのか、というスピリチュアルな疑問に苦しんでいる方は沢山いらっしゃると思います。

今回の記事は、悲嘆のさ中にいるそのような方々にとって死別のような苦しい出来事は自分にとってどんな意味があるのか、その自分なりの答えを見つけて行く助けとなるはずです。

人生で解消すべきカルマや臨死体験についてなど盛りだくさんの内容です。ぜひ最後までお読みください。

雲の上の白い光に杖をついて歩いて行く老人

スピリチュアルペインとスピリチュアルケア

死別者たちには以下のような疑問が湧くものです。

なぜ故人は死ななければならなかったのか

なぜ自分だけがこんなに辛い思いをしなければならないのか

死別のもたらす自分の人生への意味とは何なのか

死んだらどうなるのか

死後の世界で故人にまた会えるのか

人は何のために生まれて来るのか

ですが医学や心理学ではこの問いへの答えは決して語られることはありません。しかし、ここを無視しては死別を本当に乗り越えることは難しいものがあります。

なぜなら死別者たちが一番知りたいのはここだからです。このスピリチュアルな疑問を無視したり押し殺してしまう事が余計に苦しみを生みます。

こうした答えの無いスピリチュアルな疑問から生まれる苦しみのことをスピリチュアルペインと呼びます。

夕日の海の前で両膝を抱えてうつむいている女性

 

そして、スピリチュアルペインを癒して行くための援助のことをスピリチュアルケアと呼びます。医療の分野では、末期患者に対するスピリチュアルケアの重要性が指摘されています。

スピリチュアルケアでは、それぞれが自分なりのスピリチュアルな疑問に対する答えを見つけたり、またスピリチュアルな気付きを得るための援助を行います。

あくまで自分を救えるのは自分であり、そして答えは自分の中にあるからです。

温かい光を放つ数個の電球

 

そしてこのようなスピリチュアルペインに真正面から向かい合った医師、それがエリザベスです。

エリザベスの生きた時代はスピリチュアルケアやスピリチュアルペインという言葉は恐らくなかったと思いますが、彼女が行っていたことはまさに今で言うスピリチュアルケアでもありました。

スピリチュアルな世界を肯定し、包み隠さず語ったエリザベス

職業上多くの死に立ち会ったエリザベスは、世間の批判があることも予想しながら医学の領域を超えたスピリチュアルな領域についても勇気を持って語りました。

彼女の口から語られる数々の深い気付きの言葉は死別者を勇気づけ、パワーを与えてくれます。また私たちは肉体だけの存在ではないということ、そして死別という経験がもたらすギフトがあるのだということを改めて気付かせてくれます。

エリザベス・キューブラー・ロスについて

ではエリザベスについてご紹介して行きます。

エリザベス・キューブラー・ロスは「死ぬ瞬間」という著書で世界的に有名となったスイス人で、アメリカで精神科医として働いていた女性です。

終末期医療グリーフケアの分野に多大な影響を与たその分野のパイオニアです。

死を目前にした末期患者への告知がタブー視されていた時代に、世界で初めて死を目前にした末期患者達直接インタビューしました。

そしてそこから導き出した死を受容するまでの心理的な悲嘆のプロセスを「死ぬ瞬間」に記したことで世界的に有名となりました。

エリザベスは元々スピリチュアルな世界に全く興味の無い医師でしたが、多くの患者さんの死に立ち会うことによってスピリチュアルな世界(死後の生)興味を持つようになったそうです。ある意味必然と言えるのではないでしょうか。人間は肉体だけの存在ではないからです。

 

無数の星の集まる銀河

しかしそれによりオカルト色が強くなったとして敬遠するも出て来たようです。特に時代的にもまだまだスピリチュアルが受け入れられていなかったということがあると思います。

今では逆に医療の分野では、スピリチュアルケアと言ってスピリチュアルな部分の癒しに取り組むことの重要性が指摘されています。▶スピリチュアルケアについて詳しくはこちら⇒ グリーフケアとスピリチュアル~WHOも認めたスピリチュアルの重要性

やり残した仕事(精算すべきカルマ)~人生に起こる苦しみの意味とは!?

苦しい体験はなぜ起こるの?

エリザベスは人生に起こる苦しい体験について次のように考えていました。

全ての苦難は私たちに与えられた成長のための機会であり成長こそ私たちの唯一の目的である。美しい庭に座っているだけで豪華な食事を誰かが運んできてくれるだけなら成長はしない。でももし病気や痛みや喪失体験をして立ち向かえば、私たちは必ず成長するだろうと。

本当にそうですね。私たちが一つ高い精神性を身に着けようとしたとき、苦しみを通してこそ達成できます。

私たちはいつでも比較によって物事を認識して解釈しています。だから愛や感謝や幸せって何?と思った時、それらを失う経験をして初めてその本当の姿が見えてくることが分かります。▶比較体験について詳しくはこちら⇒ 【死別の悲しみを昇華させるコツ】比較体験型の世界に隠された秘密★

死別などの苦しい思いの中にいる時はそんなことに気付けないかもしれないですが、苦しみの嵐の中を通り過ぎる過程の中で、沢山の気付きが自分を想像以上に成長させてくれます。

青々とした成長途中の芽

苦しみのさ中にいる時、どれほどその言葉がきれい事に思えたとしても、苦しみを乗り越えることと成長することはイコールですから、あとで必ず魂が磨かれていることに気付くはずです。

やり残した仕事(精算すべきカルマ)を終えなければ死ねない

エリザベスの本にはたびたび「やり残した仕事」という言葉が登場します。これはまさにいわゆる「カルマ」に等しい意味合いと言えると思います。簡単に言うと今世で解消すべき課題です。▶カルマについて詳しくはこちら⇒ カルマの与える影響

エリザベスは自身の医療現場での経験から人はこの「やり残した仕事」を終えなければ死ねないという風に考えていました。

エリザベスは数多くの死に瀕した患者たちとの交流の中で、彼らが「やり残した仕事」を終えられないがために苦しい病状であるにも関わらずなかなか旅立てないでいるという場面に出くわしていたからです。そして彼女は患者があの世に心置きなく旅立てるように、「やり残した仕事」を終えられるように精神的に援助していました。

青空の下にまっすぐと続く道路

その「やり残した仕事」である人生の課題を解消するために人は生まれてきているから、今世でその課題を解消しなければまたこの世に生まれてきてむしろもっと大変な人生を歩む中で同じ課題を解消しなければならなくなるというようにエリザベスは考えていました。

「やり残した仕事」は人それぞれ違う

「やり残した仕事」は、病弱な子供が自分一人で自転車に乗ることであったり、人の世話をして人に愛情を注ぎ続けて来た人が今度は人からの世話や愛情を受けることであったり、様々です。

そうした課題はその人にとって苦手だったり、勇気がいることであったり、また受け入れられないというようなことだったりします。そしてそこにはトラウマが隠れていたりします。

つまり「やり残した仕事」、今世での課題は必ずしも私たちの考える喜ばしい経験とは限らないという事になります。苦しい経験を通して課題を解消することもあるというわけです。

末期がんに侵された子供達とも数多く接して来たエリザベスは、そのような死を受け入れなければならない子供に対して、学校の先生がいちばん優秀な生徒にいちばん難しい宿題を与えることと同じだという風に説明しています。

臨死体験者2万人と面接

エリザベスは死に直面している患者と数多く接する中で臨死体験の話を聞くことになりました。当時は臨死体験という言葉すらなく、また臨死体験に関する論文が続々と出て来るより前のことだったそうです。

そして臨死体験の話を聞いたことをきっかけに死後の生に関する研究をすることになります。そして2万人もの臨死体験者と面接をし、その臨死体験の内容にはどれも共通点があり、その面接のデータを分析し死亡宣告後にどのような体験をしたかをまとめています。

よく言われているように、死後には先に亡くなった人との再会があり、そして全員に共通していたのが圧倒的な愛に包まれる体験をすることであり、それを何千、何万という人数から聞いたことで誰一人として肉体に戻りたいと思わなかった理由が理解できたと述べています。

惑星隣で空に浮いて両手を上にあげて白い光を手にのせている白いドレスを来た女性

自分の中に答えがある

いかがだったでしょうか。数多くの患者の死を看取って来たエリザベスから語られる話は全て彼女が実際に経験したことに基づいているのでその言葉にパワーがあります。

こうした話の中で広がりを感じたり心が軽くなるように感じるものがあればどんどん取り入れてみると良いと思います。スピリチュアルな世界に一つだけの答えというものはありません。自分が一番しっくりくる答えを自分の中に見つけるだけです。

また、エリザベス自身もそうでしたが、大切な人を亡くした直後にはその死やその死に至るまでの過程が残酷だと感じたとしても後でその経験が故人にとってまさに必要な経験だったという気付きが起こることがあります。

そして私自身も夫についてそうした気付きがありました。故人の死を受容できた時にそのような気付きがやって来るのだと感じます。

また、今そのような気持ちになれなかったとしても、まずはそういうことがあるのかもしれないと頭の片隅に置いておくだけでも良いと思います。いつかあなただけの答えがやって来る日が訪れるはずです^^

蓮の花

魂が成長するグリーフケアセラピー詳しくは▶こちら)では、スピリチュアルケアも行っています。

一人ではなかなか整理をつけるのが難しいスピリチュアルな苦しみに対するケアです。

死後の世界とは? 輪廻転生はあるのか? カルマとは? 仏教の経典や量子科学ではこの世界をどう説明しているか?など、様々な切り口から一緒にスピリチュアルな世界を探究して行きます。

そしてあなたの中にあるスピリチュアルな疑問に対する答えを見つけるサポートをします。

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