【なぜ死別の苦しみは長引くの?】思考のループを断ち切る

思考が苦しみの根源

このブログでは何度もお話していますが「思考」が全ての苦しみの原因なんです

思考は人間が作り上げた概念によって構成されています。

人は生まれてから条件づけられてきた様々な価値観によって現実をジャッジして、現実を変えようとしたりコントロールしようとするものです。

このあるがままの現実を解釈によってジャッジして抵抗することがそのまま苦しみです。

しかし、事実はただ「あるがまま」で、本来全ての物事には何の意味付けもありません。良い悪い正しい間違いなどの観念は人間が創り出したものです。

何を正しいと思うか、何を間違っていると思うかに正しい一つの答えはないし、また人によって違いますし、また時代によってもその価値基準は変わって行きます。

たとえ同じ人であっても昔は正しいと信じていたことを今はそうじゃないということもありますよね。

このように人によっても時代によっても変化する解釈(思考)というのは事実ではありません

そして思考の中身というのはあくまで解釈であって事実じゃないと気付くことが苦しみを手放す第一歩となります。

それには一体どうしたらいいのかというと、まず思考があるということにただ「気付く」ことです。

なぜ気付く必要があるかというと、思考が事実だと思い込んでいるということは思考と自分自身が一体化している状態なので、思考に気付くだけで思考との一体化から抜けられるからです。

思考と自分自身が一体化しているとはつまり、思考の中身が絶対的に正しいと妄信している状態ということです。このため湧いてくる思考に心から恐れおののいたり、深刻になって行ってしまうのです。

「思考の内容は事実じゃない」と気付く

思考の内容は分析しない!

思考に気付くことが大事だと書きましたが、それだけでなく思考の内容が事実じゃないと気付くということがポイントです。

思考が湧いてるなと気付いたとしてもその思考の内容を信じていたら意味がありません

私のケースだと、たとえば「あの時(夫が病気で苦しんでいた時)心が落ち着くような優しい言葉をかけてあげることができなかった」などと浮かんで来たことがありました。胸を締め付けるような苦しい感覚とともに。

その時私がするのは、そのような思考が勝手に湧いて来たとただありのままに認める、気付く、という事だけです。思考の内容について何もしません。ただそのような思考が湧いているということを認めるだけです。

どんな思考であってもその内容は事実ではないのでそれについて分析したり考えたりしません。だけど分析するような思考が浮かぶこともあります。ですがそれすらも気付くだけで止め、それ以上入り込まない、続けないということが大事です。

思考ループに入り込んでいた、と少しでも早く気付く心掛けが必要です。

事実はただあるがままの様子

ちなみに、ここで言う思考の内容が事実ではないというのは、そのような出来事なんか過去にはどこにもなかったとかそういうことではないんです。そうではなくて、「夫に優しい言葉を掛けてあげる事ができなかった」というのは思考による解釈であって事実じゃないという意味です。事実は何かといえば、言葉にする前のただあるがままの様子です。

ですが事実でないとしても人間である限りどんな時でも勝手に解釈が瞬時に湧いてきます。🐤が飛んでいるのが目に入ってくれば、瞬時に「鳥」と解釈します。でもそれは事実ではありません。事実はあるがままの🐤であって、「鳥」は人間が作った概念です。

言葉というのはどこまでも事実ではありません。事実を指し示すための標識のようなものです。太陽という言葉も、太陽そのものではなく、太陽を指し示す共通概念に過ぎません。

思考の内容に入り込まなければ苦しくない

思考とともに胸を締め付ける感情が上がってきたとしても、ただそのような思考がある、感情があるのだと気付くだけで思考の内容に入り込んで行かなければ数分後には全く普通の状態になっており場合によっては具体的な内容もすっかり忘れるということもあります。

そのくらいすぐに消えて行きます。だから悲しみが記憶とともに湧いてきてもそこに苦しみは無いんです。

だけど苦しみを長く引きずってしまうケースでは、このような苦しい思考と感覚が上がって来た時に

「自分はどうして優しい言葉をもっとかけなかったんだろう」
「一生自分は幸せになる資格が無い」「どうしたらこの罪を償えるだろう」
「どうしたらこの苦しみから自由になれるだろう」
「そういえばあの時だって自分はこうだった」・・・・云々。

というようにどんどん思考が連鎖して湧いてきて思考のループに無意識に入っていきます。これは思考が事実だと思い込んでいる状態です。このように思考に振り回されて行くとどんどん深みにはまって行くので注意が必要です。

しかも全部事実ではなく事実に対する解釈ですので、それを分析したとしても百害あって一利なしです。

思考に入り込むことをしなければ死別のような大きな苦しみであってももう長続きさせることができなくなるんです。

思考に燃料を与えなければ苦しみは自然と終わるしかないからです。思考が苦しみの原因だからです。

思考から離れた時に「自然体の最高のあなた」が現れる

マインドフルネスや瞑想が、ビジネスや学校などで取り入れられたりしているのは、思考を追いかけない状態、思考に気付ける状態の時に心の安らぎや癒し集中力や記憶力の向上が見られるからです。▶マインドフルネスについて詳しくはこちら 【家族の死から立ち直れないあなたへ】マインドフルネスのやり方3選!

思考から離れてリラックスした時にひらめきがやってくるのは、自然体でいる時に叡智に繋がれるからです。

スポーツにおいても思考の中にいてあれこれ考えたり思い悩んだ状態ではなく、ゾーンに入った時に最高のパフォーマンスができます。

考えから離れたところにこそ最高のあなたが現れます。そしてそれこそが自然体の本当のあなたの姿です。

魂が成長するグリーフケアセラピーでは、悲しいことばかり考えてしまうという負の思考ループから最速で抜け出す具体的な方法をご提案しています。たった数か月で当初とは比較にならないほど軽くなった!という喜びの声を多数いただいています。興味のある方はぜひお試しカウンセリングにお申込み下さい。

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