【家族の死から立ち直れないあなたへ】マインドフルネスのやり方3選!

マインドフルネスで家族の死から立ち直る

あなたは次の状態に当てはまりますか?

家族の死による様々な過去のネガティブな記憶を考え続けている。
辛い記憶が浮かんで来た時に数珠つなぎのように苦しい記憶にどんどん入り込んでいる。
家族の死によるうつ、ストレスやその解決法についていつも考えている。
家族の死から数年経過しているが死別の記憶に悩まされ先が見えない。

上記の状態が当てはまるのなら、あなたは常に思考の中にいて意識が今この瞬間にないために苦しみが生まれ、更に考え続けることにより苦しみがより強化されてしまうというループに陥ることで苦しみが続いている状態です。このような状況はマインドフルネスを取り入れたアプローチによって抜け出すことが可能です!

思考のループにはまってしまっている女性

マインドフルネスは死別の苦しみを早く乗り越えるためには欠かせない!

最近はマインドフルネスという言葉がよく聞かれるようになりました。しかし私が死別の苦しみを1年8ヶ月ほどで乗り越えた時、マインドフルネス自体は知りませんでした。

ですがマインドフルネスはまさに私が死別の苦しみを手放す過程でやっていたことそのものだったのです。マインドフルネスは家族の死の苦しみから最速で抜けて行くには欠かせません

この記事では、世界で注目されているマインドフルネスの具体的なやり方やその効果とメカニズムを私の経験を元に徹底解説して行きます!記事の後半では海外ではマインドフルネスがどのように評価されているのかについても詳しくお話しています。

マインドフルネスを身に付けることで死別の苦しみを溶かして行きましょう。

家族の死の苦しみを癒すマインドフルネス

マインドフルネスとは?

マインドフルネスは世界的に注目されていますが、日本でも最近よく聞かれるようになりました。マインドフルネスのワークショップを取り入れている企業もあります。

マインドフルネスという言葉はパーリ語の仏教用語「Sati(気付き)」の英訳です。つまり、マインドフルネスは仏教を起源としています。

そしてマインドフルネスの意味するところは、五感を通した感覚をただ感じたり、湧いてくる思考に気付くことで今この瞬間に意識を置くこということです。

なぜ「気付き」が「今に意識を置く」ということになるのでしょうか?

気付き、というのは今この瞬間にしか起こらないからです。あなたが何かに気付いた時、過去や未来や妄想という思考の中にはいないはずです。「あ、今自分は考え事をしていた」と気付くことであなたの意識は今この瞬間に戻ってくることができます。

「気付き」はいつだって今この瞬間にしか起こらないですし、また気付くことで今この瞬間に意識が戻せるという事になります。

思考に気付く、体感に気付く、音に気付く、味に気付く、などどれでも良いのです。とにかく気付きこそが今この瞬間に意識を戻すという事になるわけです。

そして、今に意識を置くということは瞑想状態という事です。瞑想状態で生きるという事がマインドフルネスに生きるという事でもあります。

なぜ今に意識を置くことが必要なの?

今に意識を置くとは、思考と一体化していない状態のことです。

思考の中にいる時は過去か未来か妄想の中にいます。

今あなたは実際に過去にいることはできませんし、今あなたは未来にいることもできませんし、今あなたが妄想の世界にいることもできません。

つまり過去や未来は思考の中にだけ存在しています。言い換えると、過去や未来や妄想は思考そのものです。

そして苦しみの原因というのは実はその過去や未来や妄想という名の思考です▶詳しくはこちらから 【死別の悲しみの原因は思考です!】悲しみのメカニズムを徹底解説

思考によってのみ苦しみが生まれ、思考が無ければ苦しむことができないのです。

分かりやすい例を挙げます。それはあなたが寝ている時です。寝ている時はあなたは死別の苦しみから解放されているはずです。それは寝ている時は思考していない状態だからです。

寝ている間に過去を思い出して悔んだり悲しんだり、未来の不安を考えることはできません。

だからあなたはどれほど家族の死から立ち直れないと思っていたとしても毎日眠ることでその苦しみから完全に解放される瞬間を経験することができるんです。

このように思考から離れた瞬間つまり苦しみの無い瞬間マインドフルネスによって作り出そうということなのです。

マインドフルネスの具体的やり方とは?3つご紹介!

思考・五感に気付きの意識を向ける

簡単に言うと以下の思考と五感の全て、またはどれか一つでも良いので思考であればそれに気付き、五感であればそれをただ感じる事です。感覚について考えるのではなく、ただ感じるだけです。

湧いてくる思考

見えるもの(視覚)

香り(嗅覚)

身体の感覚(触覚)

聞こえてくる音(聴覚)

食べ物の味(味覚)

女性が木々の間に立って気持ち良く深呼吸している

マインドフルネスの具体的なやり方3選!

マインドフルネスの一つの厳密な決まったやり方というものはありません。自分自身が一番やりやすいもの、続けやすいものをやればOKです。

たとえば私は今パソコンに向かって文字をタイピングしています。この状態であればパソコンのキーボードを打つ指先の感覚やマウスを動かす指や手の感覚に意識を向ける、というような具合です。

私の経験上体の感覚(触覚)を感じる事が一番やりやすいと思いますのでいくつかご紹介します。もちろん可能であれば五感の全てに意識を向けてみても良いと思います。

【1】手の感覚をただ感じる

お勧めなのがこの手の感覚だけに意識を向け続ける方法です。何をするときも手の感覚に意識を置き続けるだけです。

ドアを開ける時の手の感覚、手を洗う時の水の冷たさ、手をタオルで拭いた時の感覚、頭を掻いた時の指先の感覚、洗濯物を畳む時の手の感覚、というように小さな動作でも全て手の感覚だけを意識し続けてみて下さい。

【2】座ったり立ったり歩いたりしながら

座っている状態であればお尻の感覚や床に付いている足裏の感覚に意識を向けたり、立ったり歩いている状態であれば足裏が地面についてそして地面からはなれた足が前に進むというその感覚に意識を向けたりします。

【3】食事をしながら

また、食事中に行うことも可能です。食べ物をお箸で口まで運ぶ手の感覚、口の中に食べ物が入った時の舌触り、味、香りなど食事の工程の全てを五感で感じるという具合です。

なぜ体の感覚を感じると今に意識を置くことができるのか?

身体は今この瞬間にしか存在できない

身体というのは今にしか存在していません。つまり、身体の感覚も今この瞬間にしか感じることはありません。このため、身体を頼りに、過去や未来に飛んでいた思考を今この瞬間に戻して行けば良いというわけです。

五感に意識を100%向けながら思考することはできない!

例えば、あなたが割れやすい薄いガラス製の置物を絶対に割らずに運ばなければならない場面を想像してみて下さい。

全神経をあなたの手や、視覚、足の裏などの五感に集中させるはずです。五感に全神経を集中させて転ばずにぶつからずに安全にその薄いガラス製の置物を運ぶはずです。

その運んでいる瞬間、あなたは今この瞬間に意識があります。これがマインドフルネスです。

そしてたとえあなたが家族との死別を経験していて今苦しみの中にいるとしても、その置物を運んでいて今この瞬間に意識があるときは死別の苦しみが一瞬消えるんです。

今この瞬間に意識があるとき、あなたは思考と一体化することはできないからです。

家族の死のストレスが大きい人には特におすすめ!

上記の「なぜ今に意識を置くことが必要なの?」の部分でお話したように、思考(過去・未来・妄想)こそが苦しみの原因です。ですから、思考から離れて今この瞬間に意識を置くことが苦しみから逃れるためには必要です。

ですが、家族の死のようにストレスの高い経験をすることによって苦しみが大きい状態の時は、思考から離れようとしたとしても死別にまつわる苦しい思い出ばかりが頭にこびりついて離れず、ネガティブ思考ループの中から出られないケースが多いです。▶思考ループについて詳しくはこちら 【なぜ死別の苦しみは長引くの?】思考のループを断ち切る

このため、体感に意識を向けるというマインドフルネスを行うによって今この瞬間に意識を戻す時間を作ることでネガティブな思考ループに切れ目を入れることができるため効果的です。

家族の死によるストレスにさらされている状態の時というのは、日常のどんなものを見ても故人に関する思いが湧き上がるものです。私自身もそうでした。人の足を見ただけでも闘病中の家族の足が浮かびました。思い出の場所に行けば胸が締め付けられる思いです。

このような状態であれば、体の感覚を頼りに今この瞬間に意識がある状態を作って行くことはとてもシンプルで取り組みやすいのです。そしてこのように体の感覚に気付いて行くことで今に意識を置く時間を増やすことで苦しみが軽減されて行くのです。

マインドフルネスを実践していくとどうなるの?

ネガティブな思考を捉えられるようになる

先ほどご紹介した様々なやり方で、例えば手の感覚に意識を向けて行くというようなことを続け、今この瞬間に意識がある状態でいると、思考が湧き上がって来るのを捉える事ができるようになります。

思考が自分自身じゃないと気付く女性

なぜかというと、今までは今この瞬間に意識がなく、ほとんど1日中思考の中にいる(思考の中で過去や未来に意識が飛んでいる)状態だったため、思考が湧いていることすら捉える事が出来なかったわけですが、思考から離れた状態を増やして行くと、思考が湧き上がってくることが分かるようになります。

思考が消えて行くのが分かる

そして湧き上がる思考に気付き、そしてまた手の感覚に意識を戻して行った時にその思考が消えて行くことにも気付くはずです。

思考が湧き上がる瞬間が捉えられれば、あぁ、思考はこのように勝手に湧き上がって来るのだなという事が体感として腑に落ちてきます。思考というのは自分で思考を作り出してコントロールしているのではなく自動的に湧き上がって来るものです。

思考は自分自身でもないし事実でもないと気付く

そして自分自身が思考そのものではないのだ、思考は勝手に湧き上がっては消えて行くものであって自分自身は思考ではなかったのだということも分かるようになります。

思考が湧いたとしてもその思考と一体化しないでいられるようになるのです。その思考がたとえあなたの一番大切な家族の死に関するものだったとしても、入り込まずに留まることができるようになります。

そして苦しみの原因だった思考が自分自身ではない、事実ではないのだ、と気付くことにより家族の死のしみが消えて行くのです。その時、あなたは家族の死から立ち直ったと感じるでしょう。

「家族の死から立ち直れない」という思考にただ気付ければOK

家族の死から立ち直れない、どうしようという思考が湧くことは誰にでもあると思います。家族との別れというのは底なし沼に足を取られてどうしたらいいかわからずパニックになるような瞬間を感じるものです。私はそうでした。

そういったネガティブな思考が湧くことをなんとか抑えるとか抵抗するということは逆に思考を強化することになります。そうではなく、ただそのようなネガティブな思考がある、ということに気付くだけで良いんです。思考は気付けば消えて行きます。

そして、思考が湧いても気付けばすぐに消えて行くことが分かればその思考はあなたに影響力を持ちません

世界で注目されているマインドフルネスとその効果

エックハルト・トールの教え

世界で最も影響力のあるスピリチュアルリーダーの一人と言われているエックハルト・トールは「Power of now」という本を書いています。直訳すれば「今の力」です。エックハルト・トールは、今に意識があることでネガティブな感情を溶かし、そして苦しみが消えるという真理を著書、Youtube、ツイッターなどで発信しています。

エックハルト・トールはマインドフルネスという言葉を直接は使ってはいないかもしれませんが、彼の発信内容はマインドフルネスそのものです。呼吸や体の感覚に意識を向けることで今に在ることの重要性を常に説いています。

例えば、緊張してしまって意識が今この瞬間に居られなくなってしまうような相手と話をするような場面では、手の感覚に意識を向けてごらんと言っています。手の感覚に意識を向けることで今に意識を戻し、頭が冴え、自分にエネルギーを取り戻すことができるからです。

学校や企業でもマインドフルネスが取り入れられている

イギリスでは学校の授業の中でマインドフルネスが取り入れられており、マインドフルネスという言葉を知らない人はいないほど一般化しているようです。

googleでも社員の研修にマインドフルネスが取り入れられていることが知られています。

これほど世界的にマインドフルネスが注目されているということはそれだけ心を落ち着かせたり、生産性を高める効果があるからです。私自身も実践してみてその効果は体験済みです。

マインドフルネスはトラウマをも癒す~ジャニーナ・フィッシャー氏

アメリカでは近年、トラウマ治療でマインドフルネスの要素が取り入れられているようです。

アメリカのトラウマに対する心理療法の専門家ジャニーナ・フィッシャー氏の著書「トラウマによる解離からの回復」より、マインドフルネスとトラウマ治療について簡単にご紹介します。死別にまつわる様々な経験はトラウマになることもありますので参考になるはずです。

昔はトラウマの原因となる出来事を思い出すことがトラウマケアのゴールとされていたようです。しかしトラウマの原因となる過去の詳細を掘り起こすことで潜在的な記憶を活性化させてしまい再トラウマ化をもたらします。

最新のマインドフルネスを取り入れた心理療法では下記方法で再トラウマ化を防ぎ、心を癒して行くことが可能だとしています。

トラウマによる感情の痛みを感じながら同時に今この瞬間の呼吸、地面につく足の感覚にも気付く(マインドフルネス)という二重の気付きを持つ

トラウマ体験による感情を俯瞰し、ただ眺める

トラウマに関連する感情や認知を何度も考え続ける限り、トラウマによる傷をより活性化させてしまいます。このため、これらのトラウマに関連する感情や身体の反応を観察し、気付くことで過去の傷と現在の自分が一体化するのではなく、今この瞬間にも同時に意識を置きながら過去の傷の感覚を捉えるという事でトラウマを癒して行くことができるということです。

アメリカのストレス・クリニックではマインドフルネスによって効果を上げている

マインドフルネスの著名な本「マインドフルネスストレス低減法」の著者ジョン・カバットジン氏のマサチューセッツ大学メディカル・センターのストレス・クリニックでは、マインドフルネス瞑想法を使った8週間の「ストレス対処およびリラクセーション・プログラム」を行っています。

重病を抱えている人や、ストレスの高い仕事についている人や、身体的な痛みを抱えている人がこのプログラムを受講し、マインドフルネスな在り方を習得したことで痛みやストレスや人生への絶望を乗り越えられるようになり、見違えるような変化を遂げているそうです。

著書の中では、マインドフルネスに生きる、つまり今この瞬間を意識的に生きることで、思考が自分自身や現実ではないのだと気付き、外の世界に費やされていたエネルギーを自分に向けることで、自分を癒し、生きるエネルギーにして行くことができるということを説いています。まさにその通りだと思います。

マインドフルネスを実践しよう!

いかがだったでしょうか。マインドフルネスの重要性とその効果などについてご理解頂けたでしょうか。

マインドフルネスというのは何か特定のやり方が重要だというのではなく、今に意識を置けば良いという本当にシンプルなことなのです。その方法として色々なやり方があるので自分にとって一番やりやすい方法でやればOKです。

家族の死のような人生で最もストレス値の高い苦しい経験では、いかに今この瞬間に意識を置けるかというところが立ち直る時の重要なポイントとなります。

ぜひマインドフルネスを実践してみてその効果を実感して下さい!

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